2010年12月21日火曜日

中国⑤最悪のヘルニア

ようやく子宮糜爛の治療が終わって体調も良くなりかけたころ。
ある朝起きたら、まっすぐ立てなかった。
おばあさんのように腰が45度に曲がったまま、それ以上直立が出来ない!!
背中を伸ばそうとすると激痛が走る。最悪のヘルニアが出た。

止せばいいのに、今までの経験からヘルニアなんて、マッサージするか、コルセット巻いて痛み止め飲めば数日で良くなるだろうとタカを括った。で、家の近くにあった「漢方総合病院」に行った。
ここはいわゆる「マシな類の人民系ローカル病院」。だけど、成都時代の診療所の奇跡的な治療マッサージに感動したことのある私は、ここが「特別科」のある総合病院よりいいだろうと判断した。

で、「グアハオ」してから「治療マッサージ」科に行く。
レントゲンかCTを取らないと悪い箇所がわかんないし、そもそもヘルニアかどうかの診断も出来ないから治療出来ないといわれる。私は、ヘルニア歴長いんだよ、こんなの自分でわかるよ!と思いつつも埒が明かないので同じ病院でCTを取りに行く。レントゲンだと良く見えないと又CT取る羽目になるから最初からCT取ったほうがいいよという医者の薦めに従ったのだ。今思うと、そっちの方が高いからだろうけど。
で、やっぱりヘルニアって事でマッサージが始まる。
こねたり引っ張ったり、手のつぼに針刺したり。。。色々やっても成都のときのような劇的な変化はない。
ここでも又、「何が何でもなんとかしてくれ」って事で、

①通院による点滴(体液の流れを良くして痛みを取るらしい)
②漢方薬の処方(骨とかを強くして、気の流れをよくするらしい)
③牽引と温熱療法
④漢方シップ(チベット系の黒い漢方薬がべっとりついた強烈なシップ)
⑤コルセット
⑥針

による治療を始めた。毎日通院した。
当然不自然な前傾姿勢が直るまで会社は休むしかない。
本当は医者は「手術だな」とのたまった。
こんなところでメスを入れるなんて冗談じゃないと必死に抵抗した結果が上記の対処法だ。
中国の医者に患者を思いやる気持ちを期待するのは間違っている。皆ずけずけという。
「こんな腰じゃ、子供なんて産めないぞ」。痛みで十分参っているところに追い討ちをかけるこの台詞。
さすが中国だ。しかも、そんなこと今聞いてない!私が手術しないって言ったのが気に食わないのか?!
因みに上記の治療全てで1万元以上かかった。保険無し。

これを1~2週間しても大きな改善は見られなかった。
出来ることは全部やったのに、今までのようにはっきりとした改善が見られないことに焦った。
いくらひどいぎっくり腰でも、皆それなりに動いてるでしょ?私みたいに前景姿勢でよたよた動いてる
ぎっくり腰がこんなに長期間続いてるのはみたことない!!

で、中国に多い怪しい治療法の広告につい目が行き、わらにもすがる思いで違う病院に行った。
それは、つまり「中国とドイツが共同開発した、その2つの国にしかない特別な牽引機械で一気にヘルニアを治す」というもの。横にちゃんと立てなかったおばあちゃんが、背筋を伸ばして立っている写真まで載っている。ここまで来ると、「ちょっと位怪しくても少しでも良くなるなら!」という思いが勝った。

この病院のおじさん先生と看護師は共に感じが良く、親身になって
「大丈夫、この治療ですぐに良くなるからね。僕も前にやったことあるから。7年たつけど、それからヘルニアは出てないよ」と言ってくれる。ここまで来ると、治療法の有効性より、やさしい態度のほうがありがたい。前の病院から持ってきたCTを元にヘルニアの出ている部分を機械に打ち込んでいく。
治療室には、ベットとその横にコンピューター、足元に何だか良く分らない大きな機械。

ベットの上にうつぶせに寝かされ、手足と腰をベルトで固定される。一見、え?!拷問?って感じの状況だ。
「じゃあ、やるよ」って技師が言うと、いきなり意味不明のものすごい力で身体が上下左右、斜めなどに引っ張られた。足元に合った大きな機械とベットから「がっちゃんがっちゃん」とものすごい音がする。
まさしく、拷問。
しかも、「痛くない」って言ってたのに、ものすごく痛い!
これは「ギャーギャー叫ぶ類の恐ろしい痛み」だった。只でさえ、ヘルニアでうつぶせしてるだけでもつらいのに、これはあんまりだ。。。

施術時間自体は数分で終わり、背中にスースーするクリームを気休めに塗られた。
「こんなに痛がる人は初めてだ」とか言われながら、術後の点滴ルームにベットに乗せされたまま移動される。ここから4時間くらいかけて、6本の点滴を受けるのだ。多分、腫れを取る為だと思われる。
この拷問と点滴で、締めて3000元位だった思う。保険無しでね。

結果は、というと、奇跡的に背中が伸びた!
だけど今度は、前屈が出来なくなった。。。。
結局「温存療法」を実行する為に日本に戻り、針治療に通いながらそれから半年近くはベットの上で寝たきり生活をした。
時間をかければ自然に回復するもんだな~と思った。

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